AST(GOT)の概要
ASTはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの略で、以前はGOTとも呼ばれていました。細胞が傷ついたり壊れたりすると血液中に出やすくなるため、肝臓、心臓、筋肉などの状態を考える材料になります。
何を調べる検査か
肝細胞への負担、アルコールや脂肪肝との関連、筋肉への負荷、心筋への影響などを、ALTやγ-GTP、ALP、ビリルビン、CK、LDHなどとあわせて確認します。
ASTは肝臓以外の組織にも含まれるため、ALTより肝臓への特異性は高くありません。健康診断でASTだけが高い場合は、採血前の強い運動、筋肉痛、けが、薬やサプリメント、飲酒、症状の有無も確認材料になります。
基準値・判定値の目安
| 保健指導判定値の目安 | 31 U/L以上 |
|---|---|
| 受診勧奨判定値の目安 | 51 U/L以上 |
| 単位 | U/L |
注意: 上の値は厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」の判定値をもとにした目安です。健診機関の基準範囲や医師の判断が優先されます。
高い場合に考えられること
- 肝炎、脂肪肝、アルコールによる肝障害、薬剤の影響など、肝臓への負担と関連することがあります。
- 筋肉の強い運動後、筋肉の病気、心筋への影響など、肝臓以外の要因で上がることもあります。
- ASTだけで判断せず、ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビン、CK、症状、服薬、飲酒量、過去の推移を確認することが大切です。
ALT・γ-GTP・CKとあわせた見方
ASTの解釈では、同時に動いている検査項目を見ることが重要です。次の表は代表的な確認ポイントであり、診断を確定するものではありません。
| 組み合わせ | 確認したいこと |
|---|---|
| ASTとALTが高い | 肝細胞への負担、脂肪肝、肝炎、薬剤、飲酒、体重変化などを確認します。 |
| ASTよりALTが高い | 肝臓由来の変化が目立つことがあります。脂肪肝、肝炎、糖代謝、脂質、腹部超音波などとあわせて確認します。 |
| ASTが高く、γ-GTPも高い | 飲酒、胆道系、脂肪肝、薬剤などの影響を確認します。飲酒量だけで原因を決めつけないことが大切です。 |
| ASTが高く、CKも高い | 強い運動、筋肉痛、筋肉の損傷、薬剤、筋疾患など肝臓以外の要因も確認します。 |
| ASTが高く、ビリルビンも高い | 黄疸、胆道系、肝炎、溶血などの確認が必要になることがあります。症状がある場合は早めに相談します。 |
低い場合に考えられること
ASTは健康診断では主に高値が問題になります。低めの数値だけで病気を判断することは一般的ではありませんが、気になる症状やほかの異常値がある場合は医療機関で確認しましょう。
関連する病気
次の病気や状態と関連することがあります。ただし、検査値だけで診断はできません。
関連する検査項目
生活習慣で見直したいこと
飲酒量、体重変化、脂質・糖質の多い食事、運動不足、睡眠不足、服薬やサプリメントの使用状況を見直すきっかけになります。脂肪肝やメタボリックシンドロームが関係することもあるため、腹囲、BMI、血糖、HbA1c、脂質もあわせて確認しましょう。
一方で、ASTが高い理由を生活習慣だけと決めつけることはできません。薬を自己判断で中止したり、急に強い運動を始めたりせず、必要に応じて医師や薬剤師に相談してください。
医療機関に相談したいケース
- 結果表に要再検査・要精密検査と記載されている
- ASTとALTがともに高い、またはγ-GTPやビリルビンも高い
- ASTが高く、CKやLDHも高い、または強い筋肉痛や脱力感がある
- 黄疸、強いだるさ、腹痛、発熱、胸痛、息苦しさなどの症状がある
- 肝臓病の既往、飲酒量の増加、薬やサプリメントの変更がある
- 過去の結果と比べて急に上がった、または複数回続けて高い
症状がある場合: 胸痛、強い息苦しさ、意識が遠のく、強い腹痛、黄疸が目立つなどの症状がある場合は、健診の再検査を待たずに早めに医療機関へ相談してください。
よくある質問
ASTが高いときは何を確認しますか?
肝臓への負担と関連することはありますが、ASTは筋肉や心筋の影響でも変動します。ALTやγ-GTPなど他の項目、症状、過去の推移とあわせて医療機関で確認しましょう。
運動後にASTが変わることはありますか?
強い運動や筋肉への負荷のあとに変動することがあります。検査前の運動状況も、結果を説明するときの手がかりになります。
ASTだけが高い場合は何を確認しますか?
ASTは肝臓以外にも心筋や骨格筋などに含まれます。ALT、γ-GTP、CK、LDH、症状、採血前の運動、薬やサプリメント、飲酒量、過去の推移を確認します。
ASTとALTのどちらを重視しますか?
どちらか一方だけで判断するものではありません。AST、ALT、γ-GTP、ビリルビン、ALP、CKなどの組み合わせと、症状や既往歴を含めて医療機関で確認します。
生活習慣を見直したい方へ
健康診断の結果をきっかけに、食事、睡眠、運動、飲酒などの生活習慣を整える情報も確認できます。
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参考・出典
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」(参照日: 2026-07-02)
- 厚生労働省「健診検査項目の保健指導判定値及び受診勧奨判定値」(参照日: 2026-07-02)
- MedlinePlus「AST Test」(参照日: 2026-07-02)
医療情報に関する注意
このページは、健康診断や血液検査に関する一般的な情報です。診断、治療、服薬変更、受診不要の判断を行うものではありません。検査値の解釈は、検査機関、測定方法、年齢、性別、既往歴、服薬状況、症状などによって異なります。気になる結果がある場合は医療機関へ相談してください。