HDLコレステロールの概要
HDLは血管壁などからコレステロールを回収し、肝臓へ戻す働きに関係します。一般にHDLが低い状態は、動脈硬化リスクの評価で確認されます。
何を調べる検査か
脂質異常症、メタボリックシンドローム、喫煙、運動不足、肥満、血糖や血圧の異常との組み合わせを確認する材料になります。HDLは「善玉コレステロール」と説明されることがありますが、名称だけで安心・危険を判断せず、他の脂質や生活背景とあわせて見ます。
中性脂肪が高い場合はHDLが低く出ることがあり、LDLやNon-HDLコレステロールの確認も重要です。前年以前の結果がある場合は、単回の値だけでなく推移も確認しましょう。
基準値・判定値の目安
| 保健指導判定値の目安 | 40 mg/dL未満 |
|---|---|
| 受診勧奨判定値の目安 | 一律の値は示されていません |
| 単位 | mg/dL |
注意: 上の値は厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」の判定値をもとにした目安です。健診機関の基準範囲や医師の判断が優先されます。
HDL・LDL・中性脂肪をあわせた見方
HDLは、低いか高いかだけで判断せず、LDL、中性脂肪、Non-HDL、血圧、血糖、腹囲などと並べて確認します。
| 結果の組み合わせ | 確認したいこと |
|---|---|
| HDLが低い | 喫煙、運動不足、内臓脂肪、中性脂肪高値、糖代謝の乱れなどと関連することがあります。 |
| HDLが低く、中性脂肪が高い | 飲酒、甘い飲み物、間食、体重増加、メタボリックシンドローム、脂肪肝との関連を確認します。 |
| HDLが低く、LDLも高い | 動脈硬化リスクを考えるうえで、血圧、血糖、腎機能、喫煙歴、家族歴も含めて医療機関で確認したい組み合わせです。 |
| HDLが高い | 高いことだけで問題になるとは限りませんが、LDLや中性脂肪の高値を打ち消すとは考えず、脂質全体を確認します。 |
| Non-HDLも高い | LDL以外の脂質も含めて確認する必要があります。中性脂肪が高い場合は特に結果表のNon-HDL欄も見ます。 |
高い場合に考えられること
- HDLが高いことだけで問題になるとは限りませんが、極端な値や他の異常値がある場合は背景を確認します。
- HDLが高くても、LDLや中性脂肪が高い場合に動脈硬化リスクがなくなるとは判断できません。
- LDL、中性脂肪、Non-HDL、肝機能、服薬状況などもあわせて見ます。
低い場合に考えられること
HDLが低い場合、喫煙、運動不足、肥満、中性脂肪の高値、糖代謝の乱れなどと関連することがあります。LDLや中性脂肪、Non-HDL、血糖、血圧、腹囲とあわせて確認しましょう。
HDL低値は、単独で病名を決めるものではありません。脂質異常症、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧などの有無や、過去の検査値の推移を含めて整理します。
関連する病気
次の病気や状態と関連することがあります。ただし、検査値だけで診断はできません。
関連する検査項目
生活習慣で見直したいこと
禁煙、ウォーキングなどの有酸素運動、体重管理、食事全体の見直しが入口になります。中性脂肪が高い場合は、飲酒、甘い飲み物、間食、夜遅い食事も確認します。
急な運動開始が不安な場合、胸痛や息切れがある場合、心臓病・糖尿病・高血圧などの持病がある場合は、医療機関で相談してから進めましょう。運動や食品だけで検査値が必ず改善すると断定するものではありません。
医療機関に相談したいケース
- HDLが低く、LDLや中性脂肪、血糖、血圧にも異常がある
- 喫煙、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、心血管疾患の既往がある
- 結果表に要再検査・要精密検査の案内がある
- 生活改善をしても数値の変化が乏しい
- 胸痛、息切れ、片側の手足の動かしにくさ、ろれつが回らないなどの症状がある
症状がある場合: 胸痛や神経症状などがある場合は、健康診断の再検査を待たずに早めに医療機関へ相談してください。急な強い症状では救急受診が必要になることがあります。
よくある質問
HDLが高くLDLも高い場合は何を確認しますか?
HDLが高いことだけで、LDLや中性脂肪の高値を相殺できるとは判断できません。脂質全体、血圧、血糖、喫煙歴、既往歴などとあわせて確認します。
HDLが低いとき薬の必要性はどう確認しますか?
薬の必要性はHDLだけで決まるものではありません。LDL、中性脂肪、血圧、血糖、既往歴、生活習慣改善の状況などをもとに医師が判断します。
HDLは高いほどよいですか?
一般的には低値が注目されますが、極端な値を単純に良いと判断することはできません。他の脂質や背景とあわせて確認します。
運動でHDLは変わりますか?
運動習慣は脂質全体の改善に役立つことがあります。ただし変化の程度は個人差があり、食事、体重、喫煙なども関係します。
生活習慣を見直したい方へ
健康診断の結果をきっかけに、食事、睡眠、運動、飲酒などの生活習慣を整える情報も確認できます。
BeautyLifehackで生活改善情報を見る関連記事
参考・出典
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」(参照日: 2026-07-02)
- 厚生労働省「健診検査項目の保健指導判定値及び受診勧奨判定値」(参照日: 2026-07-02)
- 日本動脈硬化学会「健康診断で異常を言われたら?」(参照日: 2026-07-02)
- MedlinePlus「Cholesterol Levels」(参照日: 2026-07-02)
医療情報に関する注意
このページは、健康診断や血液検査に関する一般的な情報です。診断、治療、服薬変更、受診不要の判断を行うものではありません。検査値の解釈は、検査機関、測定方法、年齢、性別、既往歴、服薬状況、症状などによって異なります。気になる結果がある場合は医療機関へ相談してください。